第二〇回視聴覚文化研究会
特集「テレビゲームの感性的論理――ニューメディアと文化」
- 2010年11月13日(土)13時〜 (聴講無料・来聴自由)
- 会場:神戸大学文学部・A棟一階学生ホール 【会場案内】
- 発表者
- 太田純貴(京都大学大学院)
- 吉田寛(立命館大学大学院先端総合学術研究科)
- 河田学(京都造形芸術大学非常勤講師)
- 主催:神戸大学大学院教育改革支援プログラム
www.lit.kobe-u.ac.jp/fusion/index.html - 共催:神戸大学芸術学研究会、視聴覚文化研究会
主旨
1980年代より登場したテレビゲームは、既存の学術領域に収まらない程現代のメディアとして私たちの日常に浸透している。そのような現状において、本フォーラムの狙いは、テレビゲームにおける身体的経験、あるいはそこから生み出される想像力が如何なるものなのかを問うことにある。
研究会プログラム
13:00 フォーラム趣旨 説明13:10 報告 「ヴィデオアートとLSD」 (太田純貴)
13:40 報告 「ビデオゲームにとってリアルとは何か?──〈第三の次元〉の表現をめぐる冒険」 (吉田寛)
14:10〜14:20 休憩
14:20 報告 「(テレビ)ゲームの存在論」 (河田学)
14:50〜14:55 休憩
14:55〜15:55 ディスカッション
発表要旨
「ヴィデオアートとLSD」
太田純貴(京都大学大学院)
本報告はヴィデオアートに関するものである。ヴィデオアートは1960年代以降勃興し、メディアアートの祖の一つとしてたびたび言及されることもある芸術ジャンルである。本報告では、メディアアートとの連続性/非連続性を視野に入れつつ、同時代の歴史的文脈とすりあわせ、ヴィデオアートを論じるための新たな観点を提供することを目論んでいる。具体的にはリンダ・ベングリス“Now”をとりあげ、そこにみられる視覚—色彩—と聴覚—音—の組み合わせのダイナミクスを論じる。その際、LSDおよびそれがもたらす体験との関連性についても言及したい。
「ビデオゲームにとってリアルとは何か?──〈第三の次元〉の表現をめぐる冒険」
吉田寛(立命館大学大学院先端総合学術研究科)
ビデオゲームは映画やアニメとは違う表現媒体=メディアであるにもかかわらず、そのジャンルに固有のものはこれまであまり反省されてこなかった。そのためビデオゲーム作品の評価やジャンルの進歩をめぐる言説は、つねに基準・立脚点が錯綜し、混乱したものとなってきた。そうした状況に一石を投じるべく、本発表では、ビデオゲームの歴史(主にポリゴン以前の時代)における〈第三の次元〉の表現方法に光を当てつつ、ビデオゲームにとっての「リアル」とは何かをあらためて問うことで、ビデオゲームに固有のもの、その「ジャンルの掟」を理解する第一歩としたい。
「(テレビ)ゲームの存在論」
河田学(京都造形芸術大学非常勤講師)
テレビゲームとは、1972年のアタリ社の『PONG』以降、人間の「遊び」の世界に登場した一つのジャンルである。それはわれわれを驚かせ魅了したが、本発表で注目したいのは、テレビゲームの独自性だけではない。本発表では、(テレビ)ゲームとは何かという問いを念頭に、「フィクション」「ごっこ遊び」といった視点から、テレビゲームをこれを内包するさらに大きい「ゲーム」というコンテクストのなかに位置づけ、それらの通底性と独自性を検証する。
研究会ポスター
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